日本人妻の海外不妊治療きろく|はじめての育児@台湾    

〜卵巣チョコレート嚢腫破裂からの体外受精と海外での子育て〜

卵巣チョコレート嚢腫が破れた!しかも海外!

5年前に何かの検査のついでにチョコレート嚢腫があることはわかっていたんです。

でも4cmくらいだったのと、まだその頃結婚もしていなかったので、できるなら手術しないほうがいいかなと思い、そのほかの方法を先生に聞いて、その時は鼻からの薬とその後の避妊ピルで経過観察となりました。

 経過は順調だったのに何が起こった?

その後5年が経ち、結婚もして、お互いに仕事が忙しかったのでいつ妊娠したらいいのか微妙に踏み切れず、特に妊活!というようなことはしていませんでした。

(でも内心、もう37なので仕事を優先すべき時じゃないんじゃないのかと焦ってはいましたが、ここで妊娠して数年仕事がストップしてしまうのが怖くて、なんとなくダラダラとしていました。)

ある日、昼食を日本から来られたお客さんと一緒に取っていて、まあまあ緊張した接待中でした。

急にズキッと腹痛が起こって、とにかくにこやかに笑うことができなくなったので、

ちょっとどこかに逃げようと思って、とりあえずトイレへ向かいました。

この時の判断があとで大騒動を引き起こすとは思いもよらず....

15秒ほどでトイレに駆け込んだ時にはもうどのドアが空きなのか確認する余裕もなく無意識でなだれ込み便座に座りましたがもうすでに痛くて座っていられない。

尿を出したらスッキリするかと思ったが、痛くてのたうちまわりたいくらいなのでまともにパンツが下ろせない。

多分ほとんど脱げていなかったと思います。どちらにしても尿も出そうにないのですぐに戻し、救急車しかない、と思いましたが、この時何が大失敗だったか。

私はなんと、携帯を持って来なかったんです!!この自分の一刻一秒を急ぐ時に!!

今思うと、あの時、お客さんの手前携帯を持って出ていじっていると思われたくなかったのと、席を立った時はまだすぐ戻ってこようと思えたほどの痛さだったんだろうと思います。

とにかく便座の上でまな板の上のエビみたいにビクビク震え、縦に歩くことは不可能。

トイレに緊急ボタンもないし、誰も入って来ず、外に出なければ誰も私の存在に気づかないだろうと本当に携帯を持って来なかったことを心底後悔しました。

 

救急車で緊急搬送

なんとか自力で外に這い出て廊下に倒れて人が通るのを待ちました。

三分くらいしたところでしょうか。レストランのスタッフの人が通りかかってすぐに走ってきてくれました。

冬なのに風呂上がりかのように髪は汗でびしょ濡れで、大理石の床がひんやり気持ちいい。もう床の冷たさ、それしか考えられませんでした。 いろんな人が代わる代わる声をかけているのはわかりましたが目は開けられず、答えたか答えてないかもよく覚えていません。

10分以上は経ったと思います。やっと救急車が到着して最寄りの病院に運ばれました。

台湾に嫁いで3年、移住してから9年でしたが、初めての救急車。

残念ながら痛さで目が開けられなくて、あと余計な刺激が目から入って心理的にダメージを受けたくなくて、目は固くつむったまま。よって救急車初体験でしたが誰が一緒に乗っていたかとか、運転している人の様子とか、参考になることは何もわかりませんでした....

 

病院の判断は

その日の朝は、今日生理が来るかもなあという感じしかなく、運ばれてからも最初は何が起こったかがわからず、もしかして生理痛が関係あるのかと思いましたが、痛い場所は胃のもっと上なんです。

おかしい。これは生理痛じゃない。

意識が朦朧のまま担架に乗せられて痛み止めを打ったり超音波をとったり、あっちにもこっちにも注射を打って採血したり、いつもは注射大嫌いな私ですけど、お腹の痛みに比べたら痛みなんて感じない。生理は思った通り来ていたので尿は普通に採ることが出来ず導尿でした。

そんなこんなで2時間くらい寝た時にやっと痛み止めが効いてきて、そばにいる旦那と普通に喋られるようになりました。

先生が来て、どこが痛いですか?ここですか?こういうのはどうですか?といろんな箇所を押して、ちょうどヘソの横らへんが激痛な感じがしてきました。

最初と少し痛む場所が変わってきたような。

横になっていないと痛くてたまらなくて、先生にちょっと仰向けになってみようか、と言われても出来ない。お腹も栄養不良の子供のような膨らみ方です。

それからまた少し時間が経ち、運ばれてから4時間は経ったころでしょうか、先生が来て、私にこう言いました。

生理になって新しい血が嚢胞に流れ込んで、チョコレート嚢胞が破れてそこから新しい血が飛び散ったことによる腹膜炎だと思われます。切らないとはっきりしたことは言えないけど、開腹手術しますか?

 

それ、私が決めること!?

切るか切らないか私の一声で決めるってなんなの?

その時一気に不信感になりました。緊急搬送だったから最寄りのところに来たけどすぐに別のお医者さんにかかりたい!!(涙)

とりあえず、急患病棟で、しかもすでに夜だったので婦人科の先生に見てもらうことはできず、翌朝までここで休んで翌朝婦人科の専門医の問診を受けてください、ということになりました。

 

休んでいいと言われたけど、急患病棟は蚊がいっぱいで(冬なのにこれが熱帯の高雄の通常です)ゆっくり休む気にもならず、旦那(台湾人おっと)にも椅子しかないので一緒に帰らせてもらうことにしました。

幸い家から10分の病院だったので、旦那ももし何かあればまた戻ってくればいいよと言ってくれ、帰りました。

 

その夜、こんなことになるとは....

結局、真夜中に痛さで呻くことになったんですが、痛み止めをもらっていたのですぐに飲んで痛みを押さえました。

でもその後旦那が急に『すごい熱だ!』と私の体を触ってびっくり。

体温計で測ると39度。人間ってあまりの痛さになると発熱するそうです。

私より旦那の方が驚いて、すぐに病院に行こうと言いましたが、環境の悪いあの病院にいても痛み止めを打たれてあそこでまた休まなければいけないし、まずもう動くのが嫌だと思って、もう行かなくていい、朝になったら問診に行くぅ〜と意地を張り、朝まで我慢しました。

 

婦人科の問診で

翌朝、すごい痛みでおばあちゃんのような姿勢でゆっくりしか歩けず、車椅子で診察室まで行きました。

朝ももちろん何も食べず、水も飲めず、採血の血が全然出て来なかったのも辛かったし、超音波検査のため、膀胱いっぱいになるまで水を飲むように言われましたが、それは酷だよ..... 今それでなくてもお腹破裂しそうに痛いのに。

結局頑張って飲んだものの、膀胱がいっぱいにならなかったらしく膣から超音波を差し込んでの検査になり、生理が来ていたのもあり結構グロテスクな状況でした。

そして超音波や血液検査の結果、化学性腹膜炎(細菌によるものではないので手術の必要なし)と診断をもらいました。

お腹がまだずっと痛いのは気になるものの、先生によれば痛みを抑えれば何もしなくていいということで、黄体ホルモンの錠剤をもらって終わりました。

翌月の生理時にもまた同じことが起こるのが一番怖く、それを伝えたら、黄体ホルモンを使えば翌月の生理は少しは楽になるよ、ということでした。

私にとってはとにかくこの痛さ、そのままでいいの?もっと他の先生に診てもらわないと気が済まない、という状態で帰宅しました。

 

今回の経費と使用薬剤(自分のための覚え書きとして)

急患、診察、検査、ベット代、諸々含み 計568元。(安っ!台湾安っっ!)

処方薬:Metronidazole 250mg/tab  

適応症:細菌、感染

(おそらく腹膜炎が細菌原因なのか違うのかが不明だったため)

 

長々お読みいただいてありがとうございます。

今回はここまで〜〜

次回に続きます.......