日本人妻の海外不妊治療きろく|はじめての育児@台湾    

〜卵巣チョコレート嚢腫破裂からの体外受精と海外での子育て〜

妊活時期の自己嫌悪と罪悪感に苛まれてツライ。

今まで淡々と妊娠へ向けての希望と記録を綴ってきましたが、

その一方で私は大変大きな罪悪感で日々正直辛いという心の葛藤を黙ってきました。

こういう気持ちは妊活をするまで味わわなかったので、正直自分でも戸惑っています。

 

どういうことかというと、仕事をしていない(厳密にいうと、働きに出ていない)という罪悪感です。

妊娠準備期、私の場合、体外受精をしている時期ですが、不定期に問診に行ったり体調が優れなかったり、急に腹水が溜まる危険がある時期があったり、色々体も不安定、心も不安定だったりするので、仕事を辞めて取り組む人も多いそうです。

実際辞めて取り組むというより、ご主人の転勤の都合で自分(妻)が辞めざるを得なかったタイミングでじゃあ妊活しよう、となる方も多いみたいで、結果的に妊活時期=ほぼ主婦状態、という方が多いみたいなんですけれど。

 

苦しくも希望に満ち溢れているこの時期になぜこういう気持ちになるのかというと、成功が確実じゃないから、延々と準備期が伸び続ける可能性があるからじゃないかと思います。

つまり、妊娠したら妊婦として新たな立場があるけど、妊娠もしていないのに働いていない、充実感を味わえることが生活にない、から、じゃないでしょうか。

これは体外受精を始めるまで正直想像もしませんでした。

 

もともと専業主婦になるつもりで結婚された方はあんまり抵抗ないのかもしれませんが、私は起業する熱い気持ちを持って台湾へ来て、今まで10年、現地の会社に勤めたこともあるし途中で自分で会社を設立して個人事業主のような形でやってきたこともあり、そんなわけでここまで結婚も妊活も自分の今後の仕事の障害になるかと不安で、踏み切れず遅くなってしまったところがあるので、仕事をセーブするというのがなんとも言えない罪悪感とストレスになってしまったようです。

別に大きな会社をやっているわけじゃないのですから、誰かの迷惑になるわけでもなし、マイペースにやれることが今まで積み上げてきたこの個人事業主の仕事のメリットでもあるんですけど、実際出張にはなかなか行けなくなっているし、今後の計画を立てられなかったり、お客さん(男性)に妊娠しているからとか、体外受精中だからという理由で仕事をセーブしてることを伝えるなんて、ああこの人とのビジネスは一旦中断しそうだなと思われたりしないかと怖いので、もちろんしたくありません。

飛行機にも乗れないので海外出張はもちろんダメだし、やりたかったことが中断するかと思うと本当に悔しくてしょうがないと思ってしまうのです。

 

もちろん、長い人生のうちのたかが3年くらいだと思って、家事をもっと完璧にやろうとか、今こそもっと違うことに目を向けて趣味を広げてできることを増やそうとか、考え方を変えてみたりしていますが、なんだかぐうたら遊んでいるような状態が心苦しくてたまりません。それは私にとって充実感を味わえることではないようです。

主婦の仕事は時給にするととても高いと聞きます。

実際メイドさんを雇ったりベビーシッターを雇うことは大変な費用がかかるように、主婦が1日にこなしていることは大変な量の労働なので、それを遊んでいると思っているわけではありませんが、仕事をセーブすることが、アクセルを踏んだ足を緩めるのが、なんとも言えない罪悪感なのです。

F1のコースに出てしまっているのに、時速30kmで景色を見ながらゆっくり走っているような感じです。他のF1走者にもうとっくに何周も追い抜かれているような、そんな感じです。

 

もちろん、子供の手が離れてからますます活発に仕事をされて活躍されている女性も多いと思いますが、今この時、一人家にいるとたまらなくなってしまうのです。

特に、今、妊婦さんでもない何者でもない私。もしかしたらすんなり成功しなくて、これからもずっと何者でもない私でい続けないといけないかもしれない。

きっと同じ気持ちの女性がたくさんいるんじゃないかと思いますが、この時期、乗り越えるのに本当に気持ちが沈んでしまって辛いです。

 

先日、台湾人おっとの前でぽろっと涙が出てしまいました。

夫は私が以前の職場を辞めて、自分で仕事を取るようにしていることをとても応援してくれており、今家で過ごしていることを全く悪く言いません。

でも毎日仕事で遅く帰ってきて、家でも仕事の電話に追われている夫を見ると、自分が何もしていないようで本当に辛くなってしまうのです。社会から取り残されているように感じてしまうのです。

夫は、まだ妊娠もしていないのにマタニティブルーになったの!?と笑って言ってくれました。

 

人生って難しいですね。こういう状況でもきっと何かできる女性はできるんだと思います。明るく充実した生活をできる人はいます。

自分がそうじゃないから、もっと自己嫌悪になってしまうんです。

 

今の状態が充実していないと感じる、

自分が動いていない間に時代が進んでいるように感じてしまう、

自分が何者でもないと思ってしまう、

誰の役にも立っていない気がして存在感が味わえない

 

こういう気持ちで、辛い思いをしている人がいたら、

一緒に頑張りましょう。

私はまだ乗り越える方法が見つかっていません。

とりあえず、今の気持ちを綴っておきたいと思います。